トップページ
トピックス
あらまし
業務内容
相談・支援
アクセス
ジョブコーチ
リンク集
福岡市障がい者就労支援センター
トピックス
ジョブコーチ活動報告 その164:更新日29年5月15日

 私は昨年の6月にジョブコーチとして入職しましたが、元々はリハビリテーション室で作業療法士として訓練をしていました。同じように見えるかもしれませんが、「訓練」と「支援」は違うところがたくさんあります。今、日々の「支援」の中で迷った時、いつも思い出す1人の男の子、Aくんがいます。今回は、そのAくんのお話をさせていただきたいと思います。
 今から15年ほど前、私は脳性マヒの方の施設で訓練をしていました。小6のAくんは車いすを利用し、意思に反して体に強い力が入るため食事もうまく呑み込めずにむせてしまいます。言葉を発することも苦手です。私はAくんが、「正しい姿勢で」「正しい食べ方」ができるように、食事や姿勢の訓練を続けていました。
 夏休み、Aくんは「1人でキャンプに参加する」という大きな挑戦をしました。家を離れるのは初めてです。Aくんと何年も食事訓練をしてきた私は「私がいるから大丈夫!」と自信満々に言いました。
 当日、元気に走り回るお友達の中でとても楽しそうに参加していたAくんでしたが、食事の時間になり「ご飯たべよう」と私がスプーンを差し出すと、途端に難しい顔になりました。頑として口を開けないのです。私はとても混乱しました。やっと最小限の水分が取れただけでキャンプは終了してしまいました。
 施設に帰って、ふと後ろを見るとそこには大きな口を開けてニコニコしながらパクパクご飯を食べているAくんの姿がありました。ご飯を食べさせているのは走り回っていた友達でした。私はガン、と頭を殴られたような思いがしました。もちろん、訓練士としては「正しい姿勢、食べ方で食べてほしい」という気持ちがあります。でも、その日Aくんは友達と楽しく食べたかったのです。それが希望だったのです。私はそれに気づかずに、自分が「正しい」と思う意見を押し付けてしまいました。「どう食べるか」を選択する権利はAくんにあるのです。私はそのAくんの思いを第一に、「支援」するべきでした。
 今もその時のAくんはいつも私の中にいて「自分本位の支援になってない?」と問いかけてくれます。Aくんが私に「支援とは何か」を教えてくれたと思っています。Aくんに恥じない支援者になりたいと、いつも思っています。

 ジョブコーチ O

戻る

Copyright © 福岡市障がい者就労支援センター All Rights Reserved.